2021.07
中部興産株式会社 可児チルドセンター [岐阜]
シャトル&サーバ®・オリコン自動段積み装置導入 により人手不足を解消し、重労働からも解放!
物流業界お役立ち情報
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物流システム
自動倉庫
物流業界で生じている人手不足の要因は少子高齢化による労働力不足と言われていますが、配送需要の増大も大きな要因になっています。
この記事では、人手不足の問題や、その解消に有効だと考えられる対策について解説します。
少子高齢化が加速する日本では、さまざまな業界で人材不足が深刻化しています。中でも医療・福祉・介護業界では少子高齢化の波を直接的に受けており、高齢者が年々増えていく中、人材不足の問題は慢性化しています。次に運送・流通を含めた物流業界です。新型コロナウイルスの影響もあり通信販売、いわゆるEC(電子商取引)市場が拡大し、それに伴いEC業界の市場が急速に拡大する一方で、配送の要であるドライバーは、人材の供給が追い付きません。深夜休日問わず走ることが多いにも関わらず、低賃金という過酷な労働環境に置かれているからです。建築・土木業界も、「きつい・危険」などのイメージで若者に敬遠されています。サービス業界やIT業界など、全てにおいて人材が不足しているといっても過言ではないでしょう。
物流業界の人手不足といえば、配送ドライバーが注目されがちですが、荷物の管理や仕分け作業を行う倉庫内で働く人材も不足しています。若年層が少なく作業員の高齢化も進んでいるため、これも大きな問題になっています。
近年では貨物輸送量は減少傾向にある反面、EC市場が飛躍的に拡大し小口配送が増加しています。小口配送の増加は、ドライバーや倉庫で働く人への負担の増加につながります。その上、即日配送、時間指定配送、冷蔵・冷凍といった複雑な対応が加わり、倉庫内での業務の負担も重くなっています。さまざまな対応をこなすために24時間体制で業務をこなす倉庫では、日中より時給を高くしても体の負担を理由に短期で辞める人も出ています。
新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令され、外出の自粛が求められると、もともと増加の傾向にあったEC市場が一気に広がりました。しかし倉庫では感染防止対策として人との接触を最小限にとどめる必要があるため、作業員を削減する措置を取らざるを得ませんでした。そのため需要が増大したにもかかわらず人手不足という事態を招きました。
倉庫作業は荷物を扱う肉体労働でもあるため、若年層の力が欲しいところですが、若い人には敬遠されがちです。力の弱い女性や高齢者を労働者として受け入れにくいという事情もあり、常に労働力不足が問題になっています。業務の負担の大きさに比べ、待遇の面の改善も望めないため、人が集まらないというのが現状です。
人手不足の解消に期待されているのが、今まで採用してこなかった層、上記でも取り上げた女性や高齢者を採用するというものです。そのためには労働環境の改善を図り、誰もが安定して働けるように、作業システムの見直しが必要です。不足している人材の確保として外国人の雇用も注目されています。
性別や年齢関係なく、誰もが同じように安定して働くために、手作業で行っていた業務をIT化・自動化して行う自動倉庫システムへの期待が高まっています。作業の大部分をロボットや機械が担えば、24時間作業、性別や時間帯、熟練度も基本的には関係なくなるため、少人数で作業を回すことが可能になります。
倉庫の自動化を行う際は、自社に合ったシステムの導入が基本になります。そのため、問題解決のためにはどのような自動化が必要なのか、どのくらい業務が改善されるのかしっかり検討したうえで、導入することが重要です。自動化するには以下のようなシステムが挙げられます。
自動倉庫システムとは入荷・保管・出荷までの一連の作業を自動化するシステムのことです。荷棚や商品の出し入れ、自動倉庫のラック間に設置される前後・上下に動く機能を持ったクレーンや制御装置などの導入によって、倉庫の自動化を図ります。自動倉庫システムには、小型のバケットに商品を入れて棚で保管するバケット型、パレット単位で保管するパレット型、さまざまなサイズの商品を保管するフリーサイズ型、移動台車で商品を保管する移動棚型があります。
自動搬送ロボットは、作業員の代わりに荷物を運ぶロボットです。荷物の移動をロボットに任せることで人件費の節約につながります。この搬送ロボットにもいくつかのタイプがあり、倉庫の規模や課題解決などの用途に合わせて導入することで、出荷業務の効率化が期待できます。搬送ロボットのタイプには棚ごと搬送するタイプ、重い荷物を持って人の後ろを追いかけるタイプなどがあります。
自動管理システムは、倉庫内の在庫、人員、設備を一元管理し、倉庫の自動化をサポートするソフトウェアです。入出庫時には、荷下ろし、伝票の照合、ピッキング、仕分け、検品、梱包、出荷まで管理します。また、在庫管理では、在庫数を把握し、発注量やタイミングの管理を行います。そのほか棚卸作業、帳票類・送り状などの発行とさまざまな機能があります。
人材不足や作業の効率化を図るために、自動倉庫システムの導入を考えている企業は多いでしょう。自社に合った自動倉庫導入で課題解決するには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。
自動化する目的は各社さまざまです。自動化には高額なコストがかかるため、システム導入前に自社の課題や目的を明確にし、それに合ったシステム選びが必要になります。間違った選択では、コストがかかるだけでなく効果がでないという事態を招きかねません。「なぜ自動化が必要なのか」、「課題解決を図るためにどんな自動化を望んでいるのか」、といった目的を明確にしておくことが導入をスムーズに進めるポイントになるでしょう。
自動倉庫を導入すれば、課題が全て解決できるわけではありません。導入後に発覚する問題もあるでしょう。そのためシステム導入後に、期待していた効果が出ているかの分析と検証を行うことが必要です。分析と検証を行うことで、より効果的な運用に結び付けることができます。数値化も取り入れ目標数値を設け、改善結果を具体的な数値で説明すれば一目瞭然、誰でも理解しやすくなるという利点もあります。
今後も増加していくであろうEC市場に対し、それを支える人材不足は物流・運送業界にとって大きな問題です。そのため倉庫業務に自動化システムを導入し、人材不足問題の解決を図ろうとする企業は今後も増えると考えられます。そして自動化には、自動倉庫システム、自動搬送ロボット、倉庫管理システムなどさまざまな方法があり、導入検討の際は、どのシステムが自社に必要かを検討し、その問題を解決できるシステムを選ぶことが重要になっていきます。適切なシステムの導入は、さまざまなメリットをもたらし課題解決への大きな一歩となるでしょう。