物流業界お役立ち情報

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2023.01.06

DXを推進する物流システムとは?これからの物流業界を支える最新テクノロジーとは?

物流システム

DX化

物流業界は配送ドライバーや庫内作業員の不足、商品供給網の複雑化・デジタル化といった新たな課題に直面しています。本記事ではこれらを解決する物流イノベーション「ロジスティクス4.0」について解説します。

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(1)物流現場で重視される「ロジスティクス」

ロジスティクスとは、原材料の調達、物の保管、輸送、流通加工から顧客の手に渡るまでの物の流れを最適な形で一元化して管理するシステムのことです。一元化して管理することで販売予測数を割り出し、適正な在庫数にできるため生産の無駄が減り、それにより在庫の品切れを防ぐことができます。モノの流れの適正化を図り、需要と供給を効率よく回す仕組みといえるでしょう。同じような意味で物流という言葉がありますが、物流はモノが流れる一連の流れだけをとらえ、ロジスティクスは物流だけではなく、経営管理やコスト管理まですべて含んだ物流全体を包括的にとらえた概念ということになります。

(2)ロジスティクスの歴史

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もともとロジスティクスという言葉は、軍事用語で兵站(へいたん)という意味があります。兵站(へいたん)とは後方支援として人員・兵器・食料などの補給や後方との連絡確保にあたる活動全般を指します。
ビジネスにおいてロジスティクスという概念が用いられ始めたのは、19世紀の後半ごろといわれています。

輸送の機械化-ロジスティクス1.0(20世紀~)

かつて大量輸送は、帆船などの船舶によるものしかありませんでした。陸路の馬やラクダでは大量の輸送は困難でした。19世紀に鉄道と蒸気機関が台頭し、鉄道網が整備されると、蒸気機関車による陸上での輸送量は飛躍的に伸び、蒸気船の出現は大量の荷物の輸送を可能にしました。20世紀に入ると内燃式エンジンで動くトラックが出現し、鉄道輸送とともに陸上輸送が主力となりました。これを輸送の機械化ロジスティクス1.0とよび、輸送の機械化によって大量に物が運べるようになった時代といえるでしょう。

荷役の自動化-ロジスティクス2.0       

1950年代に入ると、さらに機械による物流の改革が始まります。これが荷役の自動化ロジスティクス2.0です。人力で行っていた荷物の積み下ろし作業の現場に、荷物を載せる荷役台のパレットと、動力付き荷役運搬車両であるフォークリフトが普及し始めます。フォークリフトは戦時中に軍需品や食糧の補充をするための機械として運用されていました。フォークリフトは、人間では持ち上げられない大きく重い荷物も簡単に動かし、しかも動力が付いているので、どこにでも動かせます。パレットは荷役の効率を高め、保管・輸送時の大きさの規格策定に貢献しました。海上輸送のコンテナのサイズも規格化され、荷物を効率よく積み込めるようになりました。

物流管理のシステム化ロジスティクス3.0

ここまでは、物流業界に自動化の波が押し寄せたといっても、荷物の積み下ろしといった現場作業に関することでした。1970年代に入るとコンピュータ(電子計算機)による荷物や機械の管理が台頭し始めます。物流管理のシステム化ロジスティクス3.0の始まりです。1980年代に入ると、ますますコンピュータが普及し、倉庫内の在庫数量を管理する倉庫管理システム(WMS)、配送車の状況を管理する輸配送管理システム(TMS)の導入が始まりました。

(3)ロジスティクス4.0は何が起きる?

現在進行中のロジスティクス4.0は「省人化」、「標準化」を進め、人間の労働力を必要としない「物流の装置産業化」を進めようというものです。

省人化に向けた自動化

省人化とは、無駄な工程と人員を減らすこと、すなわち人がやっていた操作や判断を、機械やシステムに置き換えることです。機械やシステムが操作・判断を行うため、人や会社による格差が小さくなります。例えば、自動運転が実用化されればドライバーがいなくても荷物が届く、梱包作業はロボットが行うなど、人から機械やシステムに置き換わることになります。機械やシステムさえあれば、人の能力の差などによるヒューマンエラーを避けることができるため、省人化につながります。

業務指示などの標準化

ロジスティクス4.0における標準化とは、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット化)で機能・情報を広くつなげて物事を単純化・体系化するということです。ネットワークで情報を共有できれば、原料調達から消費までの一連の流れが統合されます。また、企業の垣根を超えて物流の機能・情報を共有できれば企業間格差も縮小されます。また、他企業との連携で最適な業務の遂行も可能になります。

(4)ロジスティクス4.0の重要性とは

ロジスティクス4.0で物流の「省人化」、「標準化」が進むと、人の関与をほとんど必要としない「物流の装置産業化」が起きてきます。つまり、運搬・保管・梱包など、人主体だった作業が自動化、ロボット化に移行するということです。少子高齢化による人手不足、社会のデジタル化が進む中、この自動化、ロボット化を導入できなければ、企業の存続に関わるとさえ言われています。企業が生き残るためには、今のビジネスモデルを進化させることが必要であり、ロジスティクス4.0に敏感に対応しシステムを導入することが、企業の今後を左右するといっても過言ではないでしょう。

(5)今の物流現場をデジタル技術で改革していきましょう

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物流業界はほかの業界と比べると、まだまだマンパワーに頼るところが多く、デジタル技術の導入が遅れているといわれています。裏をかえせば最新のデジタル技術の活用で、問題解決に大きく貢献できると期待がかけられています。例えば今、物流現場で使われているデジタル技術の例を上げると、次のようなものがあります。

 

◎AR(拡張現実)、 VR(仮想現実)といったバーチャル技術を事業戦術に活かし、紙媒体の廃止、運転、整備のトレーニングを可能にし、現場支援の効率化を図る

◎自動ロボットを使った倉庫でのピッキング作業

◎ITシステムを導入し車両の一元管理や、ドライバーの配送ルートの最適化などに貢献

◎輸配送管理システム、業務の自動化、在庫状況などさまざまなデータの一元管理や、ほかのデータシステムとの連携により業務効率化を図る

 

 

物流業界は、これからますます発展する業界でありながら、上記のように抱えている問題も多く、こうした状況を改善するにはデジタル技術の導入が不可欠です。デジタル技術を取り入れて、より良い仕組みを構築することが大事だといえるでしょう。

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