デパレタイズシステムとは、パレットに積まれたケースの荷下ろし作業を自動で行うシステムです。重労働である荷下ろし作業をシステムが自動で行うことにより、作業者の負担の削減や効率化の上昇を実現します。

デパレタイズシステムを導入することで、主に２つ改善できる箇所があります。それぞれ解説していきます。

作業者の負担が減る

デパレタイズシステムの導入で作業者の負担が大きく減ります。荷下ろし作業は、腰痛などにつながる非常に危険な業務です。特に、年齢を重ねている方にとって、荷下ろし作業は大きな負担です。特に、作業者の高齢化が進んでいる現場は、荷下ろし作業が効率化の障害となっています。しかし、デパレタイズシステムは自動で荷下ろし作業を行うので、作業者の負担は大幅に削減されます。

作業効率のアップ

体力と時間を大きく消費する荷下ろし作業。従来の荷下ろし作業とデパレタイズシステムを比較するとかなりの効率の差があります。従来は一つ一つの商品に苦労しながら荷下ろしを行っていました。荷下ろし作業は体力が大幅に削られるだけでなく、離職率の上昇にもつながっています。一方、デパレタイズシステムは、一定のスピードで長時間にわたる荷下ろし作業を可能にします。また、デパレタイズシステムは省人化も実現し、人件費を削減することができます。このようにシステムの導入は作業効率のアップだけでなく、コスト問題も解決します。

ここでは、IHIの最新デパレタイズシステムについてご紹介します。IHIのデパレタイズシステムは多機能・高性能であり、みなさんの現場の生産性を、より一層高めることを可能にします。

事前画像登録不要

IHIのデパレタイズシステムは画像の事前登録を一切必要としません。一般的なシステムでは、事前に扱う段ボールの情報などを入力する手間が必要になります。一方IHIでは、AIや画像認識技術を活用することで、様々なデザイン・大きさの段ボールに自動で対応できるようにしました。つまり、従来のシステムより高性能なシステムを、より簡単に扱えるようにIHIは開発しました。

処理能力の向上

IHIのデパレタイズシステムは、圧倒的な処理能力を備えています。わずか１時間で４５０個の段ボールのピッキングを可能にし、１台で１名の省人化を可能にします。また、搬送速度を荷物の重量に合わせて自動で調整できます。安全性も非常に高く、多数の吸盤を備えた真空グリッパーを使用して荷物を搬送します。このようにIHIのデパレタイズシステムは、圧倒的な処理能力に加え、最適な速度での搬送による、最大限の効率化も実現します。

マルチ荷姿・混載パレットへの対応が可能

高性能なAIにより、マルチ荷姿・混載パレットへの対応が可能になりました。テープなどの付属物があるケース、柄のあるケースなど正確に認識できます。AIはピッキングのたびに位置・サイズ・向きまでも認識することで、荷下ろし作業をスムーズに行います。マルチ荷姿・混載パレットへの対応は、従来より業務の効率を大きく上昇させ、作業者の負担を軽減します。

周辺設備との連携

仕分装置や立体自動倉庫といったマテハン機器との連携性が高く、物流作業における高レベルの無人化・省人化を可能にし、効率化・生産性の大幅な上昇を実現します。

自動リカバリー機能

IHIのデパレタイズシステムは、異常事態が起こった場合に備えて、自動リカバリー機能がついています。デパレタイズに使用するロボットは、常に自己診断を行っており、地震の後の再起動時など、カメラのアライメントを自動的に確認します。ロボットが動作中に何らかの異常で停止した場合でも、オペレーターの操作でゆっくりと段ボールを下ろすことが可能なので、安全柵の中に人が入る必要がなく、安全に作業することができます。このようにIHIのデパレタイズシステムは安全性も自力で確保するので、ロボットを操作する専門知識がない作業者も、安全にデパレタイズシステムを運用することが可能になっています。

デパレタイズシステムの性能について紹介してきました。身体的負担を削減するデパレタイズシステムは、作業者の労働環境を大きく変えるものであり、非常に利便性が高いです。作業者の負担を削減しながら業務の効率化を加速させるデパレタイズシステムの導入を検討してみてはいかがでしょうか。